ライフ

8割の人が「ゆとりなし」!?公務員の定年後の生活を調査!

皆さんは定年退職後の生活を考えた事はありますか?

自分は何歳まで働くんだろう?
先のことだからよくわからない…

今回は、人事院が実施した「退職公務員生活状況調査」の結果をご紹介します。

結論からお伝えすると「理想のセカンドライフを実現するためには、できるだけ早期に準備を始めることが必要」であると以下の結果が示しています。

定年退職する職員のうち、半数以上が「50代後半以降になって初めて定年退職後の生活について考え始めた」と回答
定年後に再就職した職員のうち、約8割が「生活にゆとりがない」と回答

これを読めば、公務員のセカンドライフの実情が分かります。自分の理想のセカンドライフをイメージしながら読んでみてください。

退職公務員生活状況調査とは

この調査は、人事院が3年に1回実施している統計調査です。以下の職員が対象になっています。

前年度に定年退職した一般職国家公務員を対象に調査

国家公務員の定年後の就業状況や生活状況などを把握することを目的として実施されています。

今回は、令和2年度調査(令和元年度定年退職者4,688人を対象)の結果をご紹介します。

人事院 令和2年度退職公務員生活状況調査はこちら)

定年後の再就職やその働き方

定年後も働きたいと思ったか。働きたいと思った場合、その理由は?

「定年後も働きたいと思った理由」TOP3

日々の生計維持のために必要(回答率85%)

社会との接点、生活の張り、生きがいのため(44%)

より豊かな生活を送りたい(36%)

ちなみに…

定年後も働きたい人のうち、フルタイムで働きたい人 56%

「豊かな生活のため」「生きがいのため」ではなく「生計維持」が圧倒的に多くなっています。

生活するために働かないと…

こう考える職員が多いというのが分かります。FIREには程遠い状況ですね。

定年したら仕事せずにゆっくり好きな事すればいいのに
定年後も仕事を続ける人は、仕事好きな人なのかな

こう思う若い人もいるかもしれませんが、現実はそんなに甘くないということです。

多くの人がそう思ったということは、将来皆さんもそう思う可能性が高い、ということです。自分のこととして捉えましょう。

何歳まで働きたいと思ったか?

定年後も働きたいと思った人のうち、35%が「65歳まで」、18%が「年金受給まで」と回答しています。あわせると53%です。

節目として、再任用の期限であり年金受給開始の65歳まで意識する人が多いことが分かります。定年延長により、将来的には70歳が意識されるようになるかもしれません。

ちなみに、「年齢関係なくいつまでも」と回答した人も20%います。

「働けるうちは働く!」と思っている人も案外多いんですね。

再就職先の希望は?

再就職先の希望TOP3

国の機関で再任用(75%)

民間企業(8.5%)

政府関連機関(2.6%)

国の機関で再任用」を希望する理由

経験を活かしたい(77%)

慣れ親しんだ職員がいい(62%)

自分の知識、経験からすると公務外への就職は難しい(38%)

国の機関以外を希望する理由

新しい仕事に挑戦したい(46%)

かつての部下や同僚に気を使わせたくない(62%)

勤務条件が合わない(38%)

多くの方が公務員としての再雇用を望んでいます。

「公務外への就職が厳しい」という人も約4割います。これは「選びたくても選べない」と感じている人も多いということが分かります。

なお、実際の再就職先も国の再任用、非常勤、政府関係機関、地方公共団体といった公務関係が85%で、民間企業は10%程度となっています。また、民間企業に再就職した者のうち90%がフルタイム勤務となっています。

短時間勤務を希望した理由は?

国の機関で再任用となった場合、約半数が週4日の短時間勤務を選択しています。

短時間勤務を希望した主な理由

区切りついたので仕事量を減らしたいと思った(58%)

自分の健康状態を考慮した(23%)

収入が途絶えるのは不安だけど、精神的にも身体的にも仕事は減らしたい…

そんな思いがうかがえます。

定年退職後の家計、生活

定年後の収入と支出

就労者は収入、支出がほぼ同じですが、非就労者は大きな赤字となっています。

なおこれは、世帯全体の収入、支出です。

世帯収入の主な内訳

本人給料(70%※平均月収27万円)

配偶者給料(20%)

その他 個人年金など

主な支出

税金・社会保険料(26%)

食料(20%)

その他 住居費など

支出の約3割を占める税負担がやはり重たいようです。

定年後の収支についてはこちらの記事もどうぞ

公務員の定年後の収入と支出 セカンドライフに備えよう! 公務員の定年延長をきっかけに、セカンドライフについて考え始めた方も多いのではないでしょうか。(定年延長については以下の記...

家計の実態

こちらの図は定年後の家計の状況を示したものです。

「十分またはいくらかゆとりがある」と答えた人

就労者(18%)

非就労者(21%)

「常に赤字で生活が苦しい」と答えた人

就労者(17%)

非就労者(28%)

ゆとりがあると感じている人は2割程度です。そして非就労者では「生活が苦しい」と感じている人の割合が増えていることが分かります。

また、「ゆとりはないが赤字でもない」も含めると、就労者、非就労者どちらも「ゆとりがない」と感じている人が約8割に上るということが分かります。

定年退職した人の約8割が「ゆとりがない」と感じている

赤字になったときの対応

赤字になったときはどのように対応している?
対応方法回答率
退職手当を取り崩す72%
貯金を取り崩す60%
節約を徹底する40%

退職手当の使い道は?

約8割の人が「将来やいざという時の備え」と回答

収入を増やすことができなければ、貯金を取り崩すか、支出を減らすしかありませんね。

退職金に頼ることなく、定年後も生活できるくらいの資産形成ができると安心です。

定年退職後のことを考え始めた時期

定年後の生活について、いつ頃から考え始めているのでしょうか。

定年退職後のことを考え始めた時期TOP3

50代後半(50%)

50代前半(26%)

60歳(12%)

ちなみに…

非就労者のほうが若干考え始めるのが早い傾向にある。

今後の生活の不安

セカンドライフ中はどのようなことが不安なのでしょうか。

今後の生活の不安TOP3

第1位 自分の健康

第2位 家族の健康や介護

第3位 日常の生活費やローン返済

やはり健康が上位となっています。日常の生活費に不安を覚える人も多いようです。

定年前に知っておきたかったこと

定年退職した人たちが、「定年前に知っておきたかった!」と思うものです。

現役の皆さんは、これを参考に勉強しておくとよいかもしれません。

今後の生活の不安TOP3

第1位 年金、保険に関する情報

第2位 資産運用

第3位 税金、相続 

おわりに

いかがでしたでしょうか。

悠々自適なセカンドライフかと思いきや、けっこうリアルで、しかもシビアな生活だと私は感じました。

理想のセカンドライフを送るためには、早めの準備が必要であることは間違いなさそうです。

この調査は、定年退職した人が感じている生の声ですので、現役の皆さんはこの貴重な声を活かしていただきたいと思います!

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「定年前に知りたかったこと」に挙げられている内容についても情報提供しています。

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