「病気になって働けなくなることが不安…」
このような理由で、多くの人が医療保険などに加入していますが、病気になったときに使える休暇の制度など、意外と知らない人が多いです。
今回は「病気になったときの休暇と休職」を詳しく解説します。
結論としては、病気になってもいきなり給料が止まるといった事はなく、むしろかなり長期間、手厚い保障があります。
こういった制度を知れば、不安が少し和らぐかもしれませんし、それでも不安な部分を医療保険で補うといったこともできます。
病気になった時の対策は、健康なうちしかできませんので、ぜひ今のうちに知っておいてください。
病気休暇と休職
病気になった時の休暇は、国家公務員は人事院規則、地方公務員は条例で定められています。人事院規則では、「病気休暇」という制度があり、地方公務員もこれに近い休暇がある場合が多いです。
病気休暇
・90日まで取得可能
・給与100%支給
病気休暇は、医師の診断書により取得することができます。基本的には、同じ病気で90日間、有給で休むことができます。ただし、取得日数に応じてボーナスは減額となります。
休職
・最大3年間
・1年間は給与80%支給、その後2年間は無給
・分限処分の扱い
病気休暇が終了すると、その後は休職になります。はじめの1年間は給与の80%が支給されます。その後2年間は無給です。
休職中は、公務員の身分は保たれます。健康保険も加入のままです。
なお、休職期間は、退職金の計算からも一部除外されるため、退職金が減額になる可能性があります。
傷病手当金
病気になって仕事を4日以上休むと、健康保険から「傷病手当金」を最大1年6ヶ月受け取ることができます。
公務員も共済組合から支給されます。
ただし、公務員は病気休暇中は有給、休職も1年間は80%支給されるため、この傷病手当金はすぐにもらえないケースが多いです。
状況によっては病気休暇中から対象になることもありますが、一般的には休職して1年経過後の無給になってから対象になるケースが多いので、「給料が出なくなったら傷病手当金がもらえる」と思っておきましょう。
なお、無給になったところから傷病手当金が支給される場合、お休み中の給料や手当は以下のようになります。
結局、最後の半年を除いて何かしらのお金が支給されることになります。
これはかなり手厚いのではないでしょうか。
休職者の割合
長期休暇の原因として、約6割が心の病気と言われています。
心の病気により休む人の割合を民間と比較すると、
心の健康の問題により1箇月以上の期間勤務しなかった長期病休者の率
・国家公務員 全体の約1.5%
・民間企業 全体の約0.4%
(令和2年度人事行政報告書及び令和2年度労働安全衛生調査より)
病気休暇になる割合は、公務員のほうが3倍以上多いことが分かります。
ただし、これにはそもそも、公務員の休暇制度自体が優遇されているという理由があります。
民間の休暇制度との比較
民間企業の休暇制度を調査した結果では、国家公務員の病気休暇にあたる制度を導入している企業の割合は全体の約23%にとどまります。
また、そのうち給与を全額支給している休暇は約44%です。
公務員の制度は…
・90日間は給与全額支給
・その後1年は8割支給
・最大3年間休職できる(+傷病手当金あり)
これはかなり優遇されているということが分かります。
病気休暇、休職をめぐる不正
優遇されているうえ、病気休暇は診断書があれば思いの外、簡単に取得できます。
そのため、不正が起こりやすくもあります。
最後に、その事例をいくつか紹介します。
病気休暇を295回不正に取得して停職6カ月の懲戒処分。不正取得した休暇の時間に対応する給与計114万8258円を返還。
この職員は、病気のリハビリとして通院し、6年間に計312回病気休暇を取得していました。そのうち295回で、通院後に寄り道をするなどして出勤時間を遅らせ、実際の受診時間より長く休暇を取得していたとして処分されました。
医療機関の診断書を偽造し、虚偽の病気休暇を申請。停職3カ月の懲戒処分。有印私文書偽造・同行使の疑いで刑事告発。
この職員は、診断書の療養期間を書き換えたりしたうえ、医師と同名の認め印を購入して診断書を偽造していたそうです。かなりやばいですね…。
病気休暇中にパチンコやゴルフをしないという誓約を破ったとして停職2カ月の懲戒処分及び降格。
病気休暇中にパチンコ店やゴルフ場にいるのを同僚職員に目撃され、一度は「療養中はパチンコやゴルフを一切行わない」と誓約したものの、その後約3ヶ月の病気休暇中にパチンコ店を6回、ゴルフ場を11回訪れていたことが判明したそうです。
公務員で10年以上働いた経験から
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